森田直 写真展
「Dead End」
-Re Exhibition-
2020.7/15wed〜7/26sun <7/20(月)・7/21(火)定休日>
open13:00-close19:00(最終日-18:00まで)
今年4月に開催した森田直 写真展を再展示いたします。
20代前半に歩いて旅をしていた時、すでに次の旅のことを考えていた。ただしんどくて、楽しい気持ちなどこれっぽっちもなかったのに、なのに、もっと旅をしたい、となぜかよくわからないが考えていた。
重たいザックが肩に食い込む炎天下の中、陽炎で揺らめく道の先をボケーっと眺めて歩きながら、次はどうやって旅するかな、と考えていた。
帰ってきて、4年だったかバイトして貯金。そして、一台の自転車を買った。アラヤ、赤いスワロー。
そう、自転車なら距離を走れる、どこにだって行けるんじゃないか、と思った。
道具も揃え、準備は整った。
旅の本、映画、そして子供の頃にやったRPGを、出発前に読んでは見てはで、気持ちを自分のやり方で昂らせまくった。
そしてその勢いのままに、住む街を飛び出して走り出した。
徒歩の旅は、ささくれだって、何もかも拒絶していたのに対し、チャリは明らかに違っていた。
これまで下ばかり見ていたのに、チャリは前を見据えていた。坂を登る時、下を向いていても、前を向いてる気持ちをしていたのには捻くれ者故に信じたくなかった。
楽しく、充実し、何かを見て心を動かされた。でも、無闇にこの気持ちを出さない、人とも不必要に関わらない、旅人同士での交流なんてもっての外だ。
難しいことは一切なく、言葉通り一人になりたい、だから旅をしている。
それは曲げられないと思って続けた。
毎日毎日目的地もなく一人で走っていたとある日、真っ赤な夕刻の中、田園風景に自分の走る姿が伸びているのを見た時、泣きたくなるような気持ちを覚えた。この孤独こそ俺の旅だった。
その自転車の旅の写真展、三回目。個展をするまで5年の空白をもってようやく開催できました。
今更ながらご挨拶をいたします。
帰ってからは旅とは全く無縁の日々を過ごし、何をしたいのかフラフラとしてる中、俺のケツを叩いてくれた、そしてギャラリーを開く前に声をかけて頂いた、BE=のゴトーさんありがとうございます。捻くれ者でほとんど旅人と交流しなかった中、大切に今でも関わってくれている旅の仲間、ありがとうございます。旅中応援して頂いた学生時代の友人達、ありがとうございます。写真に対する自分の考えが偏っているのに、尊重し合って話せる暗室の方達にありがとうございます。俺が今も写真を続ける事ができているのは、BE=という場所があるからに他ならない、ありがとうございます。
森田直
過去の展示
2019年「Departure」
2020年「Diminishing Shine」
自転車で日本を旅した時に写した写真展 第3弾です。
1週目、2週目で作品入れ替えがあります。
ぜひ2週ともご高覧ください。
7/15-7/19 : Goodbye, Dear Friend
7/22-7/26 : Infinite Horizons